号外!!うなぎ事情かわら版 

シェアする

[`yahoo` not found]
[`evernote` not found]
LINEで送る

絶滅危惧問題から信仰まで、うなぎのあれこれ調べました。

日本は縄文時代後期の遺跡からうなぎの骨が発見されるほど、うなぎとの繋がりが長い国。縄文から3000年4000年の時を経て、現在のうなぎ事情やいかに。

読めば納得、うなぎ文化の今が分かります。

ワシントン条約会議規制後は、うなぎが食べられなくなる!?

うなぎの味と言うと、「養殖 vs 天然」という比較を考えがちだが、実は日本で食べられている“天然うなぎ”は、国内総流通量を円グラフにすると、衝撃の0%になるほど取り扱いが少ない。(国内総流通量5万3287tに対し、天然うなぎは71 t、 0.001%)つまり私たちが街中で見かけているうなぎは、ほとんどが養殖うなぎというわけだ。

しかし、「うなぎ養殖」と言っても、うなぎの生態は謎が多く、完全養殖の商業化は実現していない。

そのため、世界のどこのうなぎ養殖場でも、まずは天然稚魚のシラスウナギ(以下シラス)を入手しないと始まらない。

シラスを人工池などに入れ、エサを与えて成長させたものがいわゆる養殖うなぎと呼ばれるもの。

つまり「天然生まれ・人口育ち」のうなぎが、現代うなぎ食の流通を支えているのだ。

ところが、食用として日本で一番出回っているニホンウナギ(アンギラジャポニカ種)は、2014年に国際自然保護連合(IUCN) の絶滅危惧種(いわゆるレッドリスト)に指定された。

この動きを受け、ニホンウナギは今や、来年5月に締約されるワシントン条約の規制に入るか入らないかの瀬戸際に立っている。

今年の12月24日に条約の附属書掲載提案が締め切られるため、クリスマスイブはうなぎ食の未来が決まる緊張の1日となるはずだ。

ワシントン条約は絶滅危惧の度合いにより、規制内容が分かれている。

付属書Ⅰは、商業のための輸出入は禁止。附属書 Ⅱは、輸出国が許可書を出せば商取引も可能。もしもⅠのリスト入りした場合は、日本のうなぎの約6割を占める、輸入ウナギが消える。

なぜしらすが減ったのか?その理由は大きく三つに推測されている。

まずは①「日本の河川・沿岸環境の悪化」。コンクリート護岸の川が増え、生物が住める環境が減っている。次に②「海洋環境の変化」海流に乗って移動するシラスが、なにかの理由によって東アジアの海域までたどり着けないでいる。そして③「日本人の過食・乱獲問題」。

シラス不漁は事実だが、ただし現在、日本のうなぎ消費量は約5万t(2016年)で、ピーク時16万t(2000年)の3分の1にまで減っている。

しらすの採捕量については、水産庁の過去のデータに間違いがあったり、不鮮明なシラスの輸入ルートの問題があったりと、信頼できるデータが少ないのが実情だ。

うなぎ業界の現状を詳しく教えてくれたうなぎ専門誌「日本養殖新聞」 編集長の高嶋茂男氏は、「業者も学者も消費者も、うなぎについて感情的にならず、冷静に未だ乏しい資源データの再検証を進めることも重要です。とはいえ、ワシントン条約の締結の可能性は緊急の課題。業界もニホンウナギの資源保護に向け努力はしているが、結果はまだ誰にも分かりません。うなぎだけにつかみどころがない状況です」と語った。

日本の消費の特徴は、まず土用の丑の日がうなぎの需要ピークにあたること。しかしシラスは天然資源のため、人間のスケジュールに都合よく合うとは限らない。

消費者ができることは、今食べているうなぎの背景を知り、環境問題や消費者傾向に連動してうなぎの取引価格が動くことを改めて知ることかもしれない。

土用の丑の日にこだわらずにうなぎの味を楽しむのも手だ。

うなぎの味の未来は、消費者一人一人に委ねられている。

知っているようで知らないうなぎの実態に迫る。

“アリアナ諸島生まれ日本育ちうなぎの一生”

国内で流通しているニホンウナギはほぼ養殖なのだから、その生態研究も進んでいるもの・・・と思いきや、海に出て産卵するウナギはとにかく謎が多く、孵化(ふか)や稚魚の事などまだまだ不明な事だらけだ。

2011年に判明した最新研究では、日本の川で5年から10年過ごしたウナギは、海に出たあと、およそ半年をかけ、最終的にはマリアナ諸島(推定)の海域で産卵するという。

6月の新月の頃に卵が孵化し、「レプトケファルス」と呼ばれる木ノ葉の形のような幼生になる。

その後、北海道海流や黒潮に乗り東アジアへと到着する頃には、透明で細長い「シラスウナギ」へと成長している。

このように、ウナギは一生のうちに、海・川・池・湖などの長距離をグングン移動しながら、姿かたちを何度も変えるアグレッシブな遺伝子を持った魚なのだ。

栄養満点、スタミナ食として愛されているのもうなずける!?

食べちゃダメ!うなぎ禁食信仰

多くの人に愛され、好まれているうなぎは、「古くから伝わる和食の代表選手」のような趣もあるが、実は日本には、代々の言い伝えで「うなぎをけっして食べない」家系や地域がある。

京都市の三嶋神社や、全国の虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を祀る寺院・神社は、うなぎを神聖視する。そのため住職・神職はもとより、その家族や信徒もうなぎを食べないのだという。

例えば宮城県登来市にある「柳津虚空蔵尊(やないず)」では、本尊である「知恵・記憶を司る仏様とされる虚空蔵菩薩」と地域に伝わる「雲南神信仰(うんなんかみ)」信仰が重なり、うなぎにまつわる数多くの伝承が残っている。

雲南神の由来には諸説あるのだが、昔の人がうなぎの生命力に霊威を見出した結果、雲南神がウナギと同一視され、木の神や田の神として信仰を集めたものらしい。

また虚空蔵菩薩は丑・寅年生まれの守り本尊であることから、丑・寅年生まれの人もうなぎを禁食することがある。

柳津虚空蔵尊では、うなぎはご本尊様へお願い事を届ける役目をしているとされ、絵馬にもうなぎが描かれている。

神仏のお使いとして大事にされているうなぎを思い、「美味しいね」だけではなく時には手を合わせてみてはいかがだろうか。

[`yahoo` not found]
[`evernote` not found]
LINEで送る

スポンサーリンク